ロシア人監督アレクサンドル・ソクーロフが作った太陽を見ました。内容は昭和天皇ヒロヒト(裕仁)です。
日本での公開が危ぶまれたようなこともあったらしいですが昨年無事公開されDVDにもなりましたね。見た感想という訳ではないけれど、ちょっと気になってレンタルしてみてみました。
独特の世界観映像美というか、映画としては娯楽映画、アクション映画、歴史物、恋愛映画のように盛り上がる場面や、泣かせる場面、ストーリーに入り込む。そんなものは一切無かったように感じます。昭和天皇裕仁はいったいどの様な人間だったのか、どの様なことを考え、終戦間近の時期に何を考え何を思っていたのかを映像化してくれたものだと思います。本来日本人が作っても良いようには思うのですが、日本人には少しタブーな部分が多すぎて描けないのでしょうね。ロシア人が映像化したのには驚きますが、この監督なら有りでしょう。
ゆったりとした日本独自のリズムのような感じの映画なので盛り上がりも全くないので好き嫌いが別れるかもしれない映画です。夜見ると寝ちゃうんじゃないでしょうか?私は結構興味津々見ていました。昭和天皇の孤独さ、でも心の強さ、でも寂しい人。なんか、上手く文章で表せないように感じました。ただ、何か心に引っかかる映画でもう一度みたいと思わせてくれます。昭和天皇という運命を背負った人間としての裕仁、可哀想とも感じさせる。
でも、外国人が作った映画という感じはやはり拭いきれず、日本人の目で見るとどうなのかな?と思える部分もややあるものの、今の日本人では作れないテーマの映画なので悔しい気持ちや残念な気持ちにもなります。神としての昭和天皇を描く気はサラサラなくあくまで本当に人間として孤独な一人の昭和天皇を描いたことは意義があり、私は良い映画だとは思ってます。賛否両論はもちろんありそうですが、私個人としてこの作品を映画としてみた場合星5つ満点で星4個ってところですかね。
俳優も、イッセー尾形氏が昭和天皇裕仁を見事に演じていて、本当に昭和天皇に見えてくるし、台詞の一つ一つが昭和を本当に思い出させる。正直ここまで見事な昭和天皇役を演じられるとは脱帽です。「あっそ」の台詞にはもう、昭和天皇そのものか?と思えてしまう。
政治的な内容は極力描かないようにしているのか、戦争の部分の描写もかなり抽象的で不思議な感じに描いてるのもこの映画の世界観として違和感なくとけ込んで着るのも高評価。
まぁあーだこーだ言わないで取りあえず見て頭ではなく心で感じる映画の一つだと思います。
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